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ヘリコバクター・
ピロリ菌とは?

ヘリコバクター・ピロリ菌とは?

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)は胃粘膜に棲みつく細菌です。胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がんの原因とされており、とくに胃がんの多くがこのピロリ菌の感染によって引き起こされています。

ピロリ菌感染の特徴の1つとして、感染した時点では自覚症状が出にくいということが挙げられます。しかし、ピロリ菌が胃に長期間居座ることで胃は徐々に傷ついていくため、やがて胃の不快感や痛み、胃酸過多、消化不良などの症状が現れます。

ピロリ菌に感染する原因

ピロリ菌の感染経路については、現在でも完全に把握されていない部分がありますが、ピロリ菌は口から摂取することによって感染が広がる可能性が考えられています。 具体的には、ピロリ菌に感染している大人が赤ちゃんに口移しで食べ物を与えることや、糞便に汚染された食品や水の摂取が感染の原因とされています。 また、衛生環境がピロリ菌の感染に関与していることが分かっています。 そのため、発展途上国ではピロリ菌感染者が多く報告されています。日本では60歳以上の人の80%が感染していると言われていますが、衛生環境の改善に伴い若者の感染率は減少しており、10代以下の感染率は10%以下と推定されています。

ピロリ菌が引き起こす病気

長期間のピロリ菌感染は以下のような病気の原因となることがあります。

慢性胃炎(ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎)

胃粘膜に棲みついたピロリ菌は炎症を引き起こします。ピロリ菌の感染が長期にわたると、この炎症が胃粘膜全体に広がり、「慢性胃炎」となります。「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」とも呼ばれます。

萎縮性胃炎

慢性胃炎が長期化すると、徐々に胃の正常な組織が失われて「萎縮」が進みます。萎縮が進んだ状態を萎縮性胃炎と呼び、胃酸分泌能の低下や食欲不振、胃もたれなどが生じます。

消化性潰瘍(胃・十二指腸潰瘍)

ピロリ菌による炎症で胃の防御機能が低下すると、胃・十二指腸潰瘍などの「消化性潰瘍」が生じやすくなります。腹痛や食欲不振、胸やけなどのほか、症状が進行すると吐血や下血などの症状が現れることもあります。

胃がん

ピロリ菌感染によって胃が弱った状態が続くと、胃の粘膜が「腸上皮化生(ちょうじょうひかせい)」という状態になります。これは胃の粘膜が腸の粘膜のようになってしまうことで、この状態だと胃がんの発症リスクが高まります。

検査をおすすめする方

検査をおすすめする方

以下に当てはまる方はピロリ菌感染の疑いがあります。重症化を防ぐためにも、できるだけ早くピロリ菌検査を受けましょう。

  • ご家族にピロリ菌感染があった方
  • 胃・十二指腸潰瘍の経験がある方
  • 胃・十二指腸潰瘍を何度も繰り返している方
  • 胃がん罹患者が多い家系の方

上記以外でも、「日頃から胸やけや胃の痛み、吐き気などに悩まされている」「バリウム検査で胃炎を指摘された」など、胃に関するお悩みがあれは、お気軽に当クリニックへご相談ください。

ピロリ菌の検査方法

ピロリ菌の検査方法には以下のようなものがあります。ながい内科循環器内科クリニックでは、患者さまの状態に応じて適切な検査方法をご提案いたします。

内視鏡を使う検査

迅速ウレアーゼ検査

ピロリ菌が分泌する「ウレアーゼ」という酵素を利用する検査方法です。内視鏡を使って胃粘膜の組織を採取し、特殊な薬と反応させることで、菌の有無を調べます。

培養法

内視鏡を使って採取した胃粘膜の組織を培養することで、ピロリ菌感染の有無を調べます。

検鏡法

採取した胃粘膜組織を特殊な薬品に浸し、顕微鏡を使って直接ピロリ菌の有無を調べます。

内視鏡を使わない検査

尿素呼気試験

ピロリ菌に感染していると、ピロリ菌が分泌するウレアーゼの働きによって、吐いた息(呼気)の中の二酸化炭素量が多くなります。尿素呼気試験では、検査薬を使って呼気中の二酸化炭素量を調べ、ピロリ菌の有無を確認します。

便中抗原測定

糞便に混じったピロリ菌の抗原を検出する方法です。便を採取し、抗原を検出する検査キットを使用して調べます。

抗体測定

体内のピロリ菌の抗体を調べる方法です。血液検査、もしくは尿検査を行います。

ピロリ菌の検査は基本的に“自費”となります

ピロリ菌の検査だけを希望される場合、基本的に保険適用での検査はできません。内視鏡検査とセットで調べることをおすすめします。

ピロリ菌の除去治療

ピロリ菌の除去治療

検査によりピロリ菌陽性と診断された場合、基本的には抗生物質を用いた内服治療を行います。抗生物質と胃酸抑制薬を処方しますので、医師の指示通りに服用してください。この治療によってピロリ菌の増殖を抑え、体内のピロリ菌の除去を目指します。

一定期間の服用後に検査を行い、ピロリ菌が除去できているかどうか確認します。ここで除菌が失敗した場合、抗生物質の組み合わせを変えて再び内服治療を行います(二次除菌)。

除去治療の期間は患者様の状態によって異なりますが、適切な服用スケジュールを守ることが重要です。除去治療について疑問・不安があれば、お気軽にお尋ねください。

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