おならは誰にでも起こる生理現象です。ただし、おならの回数が増えたと感じる場合、消化器系の疾患が潜んでいる可能性があります。その原因のひとつがピロリ菌の感染です。
今回はおならとピロリ菌感染の関係について解説します。
ピロリ菌に感染しているとおならが増える?
ピロリ菌に感染すると、おならが増える症状が見られることがあります。
もう少し正確にいうと、ピロリ菌に感染したことで慢性胃炎になり、胃の機能が低下することでげっぷやおならが増えます。
ピロリ菌感染のその他の症状
ピロリ菌に感染すると、おなら以外にも症状がみられます。
代表的な症状は以下です。
- ・胃もたれ
・胸焼け
・膨満感
・食欲不振
これらは、ピロリ菌に感染によって併発した胃炎や胃潰瘍のといった病気の症状です。
ピロリ菌の感染自体には、ほとんどの場合自覚症状がありません。
口臭が強くなることも
ピロリ菌は胃内で生存するために、胃に存在する尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解します。アンモニアは強い刺激臭を持っているため、これが口臭を悪化させる一因となるのです。もし「尿のような臭い」や「腐った卵のような臭い」がする場合は、ピロリ菌感染が原因である可能性があります。
おならが増えるその他の原因
おならが増えたからと言って、必ずピロリ菌に感染しているわけではありません。
以下の原因にも心当たりがないか確認しましょう。
食物繊維の多い食事
繊維質を多く含む食事をすると、大腸内の細菌による分解活動が活発になり、それに伴ってガスが発生しやすくなります。食物繊維は腸内環境の改善に欠かせない栄養素ですが、おならが気になる場合は摂取量を見直してみましょう。
肉類中心の食事
肉類は脂質とタンパク質を豊富に含むため、過度に摂取するとおならが臭くなることがあります。特にお肉や卵などの動物性食品を多く摂ると、腸内の悪玉菌が増え、臭いガスが発生しやすくなります。
便秘
便秘は、大腸内に便が長時間留まるため、便の発酵や腐敗が進みやすくなります。これによりガスが増え、おならの量も多くなるとともに、悪玉菌の活動によっておならの臭いも強くなる傾向があります。
ストレス
ストレスや緊張が精神的に影響を及ぼすと、消化器官にも不調が現れることがあります。ストレスは腸の動きを不規則にする原因となります。このような状態では消化が不十分になり、結果として腸内でのガスの生成が増えてしまうのです。
ピロリ菌が原因の病気
ピロリ菌に感染すると、慢性的な胃炎が発生し、時間が経つにつれてさまざまな病気を引き起こす可能性があることが知られています。
ピロリ菌が原因となる代表的な病気は以下です。
- ・胃がん
・胃潰瘍
・十二指腸潰瘍
・特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
・胃過形成性ポリープ
・逆流性食道炎
まとめ
ピロリ菌感染が原因でおならが増えることはあります。ピロリ菌に感染していて慢性胃炎が続くと、さまざまな病気になるリスクが上がります。特に胃がんは早期発見が重要な病気のため、早めに検査しましょう。
おならの量が気になったり、胃に不調を感じている場合は、医療機関に相談してください。