胃カメラ検査は喉からカメラを通すため、きついイメージを抱く人が多いと思います。そういう方は鎮静剤を使用することでつらさを軽減することが可能です。一方で、鎮静剤の副作用についても気になりますよね。
今回は胃カメラで使用する鎮静剤の副作用について解説します。鎮静剤を使った場合の注意点についてもご紹介しますので、最後までご覧ください。
1.胃カメラ鎮静剤を使うメリット
胃カメラで鎮静剤を使うメリットは主に2つあります。
1-1.不安や痛みの軽減
胃カメラは喉から内視鏡を挿入するため、不安や痛みを感じやすい検査です。特に「オエッ」となる嘔吐反射が強い方は内視鏡の挿入が難しく、苦痛を感じる時間が長引くことがあります。鎮静剤を使うことによって、胃カメラが喉を通る際の苦痛を和らげることが可能です。
また、初めて胃カメラ検査を受ける方、過去に胃カメラで辛い経験をした方は検査に対する不安や恐怖が大きいと思います。鎮静剤は抗不安効果と鎮静効果を持っているため、こうした検査にともなう不安や痛みを軽減できます。
1-2.検査の質向上
胃カメラ検査において鎮静剤を使用することにより、より正確な検査が可能です。内視鏡検査はしばしば苦痛をともなうため、患者さんが暴れてしまい検査を続行することが難しくなることがあります。
鎮静剤を使用すると患者さんが落ち着いた状態になるため、胃の中にきちんと空気を送り込み、内視鏡で細部まで確認できるようになります。患者さんの身体的および精神的な苦痛を軽減しつつ、短時間でより精密な検査が可能となるのです。
2.胃カメラで使う鎮静剤の副作用は?
メリットの大きい鎮静剤ですが、どんな薬にも副作用はあります。
胃カメラで使用する鎮静剤の代表的な副作用には、以下のような症状があります。
・眠気
・吐き気
・頭痛
・呼吸が浅くなる
・血圧の低下
副作用には個人差があるため、症状が出る人もいれば出ない人もいます。
鎮静剤を使用する際は、副作用の可能性も視野に入れた上で医師に相談しましょう。
3.胃カメラで鎮静剤を使う際の注意点
胃カメラで鎮静剤を使う際は、いくつか注意点があります。
3-1.検査後は少し休む必要がある
検査後は、鎮静剤の効果が切れていない状態のため、しばらく安静に過ごす必要があります。たとえ早く目覚めたとしても、すぐに帰宅することはできません。通常、鎮静剤を使用した場合、1時間程度は安静にする必要があるため、鎮静剤を使わない検査に比べて全体の所要時間が長くなることが一般的です。
3-2.検査中の記憶がない場合がある
鎮静剤を使用すると、検査中に眠っているような状態になるため、検査中の記憶がない方もいます。
内視鏡写真を使った説明は十分な安静時間をとった後におこなうので、安心してください。
3-3.当日は車の運転や仕事に支障が出る
鎮静剤を使用した検査の当日は、車やバイク、自転車の運転は控えてください。しっかりと休息をとり意識がはっきりしたと思っていても、判断力が低下している可能性があるためです。また、眠気が続き集中力・注意力も低下しやすいため、仕事に支障が出る場合もあります。
4.鎮静剤を使用できないケース
以下に当てはまる方は、薬品によっては使用できない場合があります。
・重症筋無力症の方
・急性閉塞隅角緑内障の方
・HIVプロテアーゼ阻害剤を使っている方
上記の方は、別の種類の鎮静剤を使用するか、経鼻内視鏡検査という鼻から胃カメラを入れる手法で検査します。
5.まとめ
胃カメラは苦痛を感じやすい検査です。不安がある方は鎮静剤の使用について医師に相談してみましょう。ただし、胃カメラの鎮静剤には、眠気や頭痛などの副作用があります。症状は一時的なものなので心配する必要はありませんが、当日はなるべく安静にして様子を見てください。