胃内視鏡検査についてよくある質問
胃内視鏡検査とはどんな検査ですか?
胃内視鏡検査(胃カメラ)は、細いスコープを口または鼻から挿入し、食道・胃・十二指腸の粘膜を直接観察する検査です。内視鏡の先端には小型カメラがついており、モニターに拡大された映像が映し出されるため、微細な病変も発見できます。また、必要に応じて組織を採取(生検)して顕微鏡で調べたり、小さなポリープを切除したりすることも可能です。
どんな症状やタイミングで受けるべきですか?
以下のような方は当院を受診してください。診察を行い、適応を判断したうえで胃内視鏡検査をご提案します。
- のどやみぞおちの違和感や痛みが続いている方
- 胸焼けや胃もたれが続く方
- 食後の腹部膨満感がある方
- 黒色便(タール便)がある方
- 食欲不振や体重減少がある方
- 健康診断でバリウム検査に異常を指摘された方
- 40歳以上でこれまで一度も胃内視鏡検査を受けたことがない方 など
また、症状がなくても以下のような方は定期的な検査を推奨いたします。
- 40歳以上の方
- ピロリ菌陽性の方
- 胃がんの家族歴がある方
- 過去に胃ポリープや腸上皮化生(胃の粘膜が腸のような組織に変化した状態)と診断された方 など
何年ごとに受ければいいですか?
検査の頻度は個人のリスク要因によって異なります。具体的な検査間隔は患者様の状態や前回の検査結果によって異なりますので、医師の指示に従ってください。
検査頻度の例
- 胃がんのリスクが高い方(ピロリ菌陽性、胃がんの家族歴あり、過去に前がん病変があった方など)…年1回
- ピロリ菌除菌後の方…1に1回
- 40歳以上の方(病気なし)…2年ごとの検査が望ましい
検査前の食事や準備は?
- 前日の夕食は20時までに済ませてください
- 夕食後は絶食です
- 水分摂取は水や薄いお茶であれば制限はありません。ただし、牛乳、ジュース、アルコールは控えてください
- 内服している薬がある場合は、事前に医師にご相談ください
- 喫煙は胃検査の障害となるため、検査当日の喫煙は控えてください
検査は苦しいですか?痛みはありますか?
検査の不快感は個人差があります。経口挿入(口からの検査)では嘔吐反射(オエッっとなる)を感じる方が多いですが、経鼻内視鏡(鼻からの検査)や鎮静剤(眠る麻酔)を使うことで、大きく苦痛を緩和できます。
経鼻と経口、それぞれの特徴は?
経鼻と経口の特徴は、それぞれ以下の通りです。
経鼻内視鏡(鼻からの検査)の特徴
- 舌の奥に触れないため嘔吐反射が起こりにくい
- 検査中に会話がしやすい
- 鎮痛剤が使用できない場合や(車で来院された場合や鎮痛剤のアレルギーがある場合)に比較的に楽だったと感じる方もいる
- 鼻の通りが悪い方や鼻の疾患がある方には不向き など
経口内視鏡(口からの検査)の特徴
- より鮮明な画像を得やすい(高精度な検査が可能)
- 治療や生検を同時に行いやすい
- 鎮静剤と併用すればほとんど苦痛がない など
鎮静剤を使った場合の注意点は?
鎮静剤を使用すると眠ったような状態で検査を受けられるため、不安や苦痛を感じにくくなります。投与量は細かく調整しますが、それでも検査当日は鎮静剤の影響が残る可能性があります。以下の点にご注意ください。鎮静剤の効果や必要量には個人差があるため、過去の麻酔経験などがあればお伝えください。
- 検査後は約1時間院内で休息が必要です
- 当日は車・バイク・自転車の運転は禁止です(これらでのご来院もご遠慮ください)
- 重要な契約や判断を要する業務は避けてください など
検査後の過ごし方・注意点は?
検査後は以下の点に注意して過ごしてください。
- 検査直後(30分~1時間)は飲食を控えてください
- のどの麻酔が切れてから(唾を飲み込める状態になってから)少量の水で様子を見てください。その後、特に問題がなければ普通の食事に戻れます
- 組織検査(生検)やポリープ切除をした場合は、当日の飲酒・激しい運動・入浴(シャワーは可)・遠出は控えましょう
- 検査後に少量の出血(黒色便)や軽いお腹の張りが出ることもありますが、通常は自然に改善します など
ピロリ菌検査や除菌はできますか?
ピロリ菌感染は胃がんのリスク因子として知られています。胃内視鏡検査と同時に検査が可能で、ピロリ菌感染が認められた場合は、検査費用・治療費への保険適用が可能です。
ピロリ菌が陽性の場合は、抗生物質と胃酸分泌抑制薬を組み合わせた除菌治療を行います。除菌に成功すると胃がんのリスク低減が期待できます。当院ではピロリ菌検査から除菌治療、除菌後の経過確認まで一貫して対応しています。
バリウム検査と胃カメラの違いは?
バリウム検査(胃部X線検査)は、造影剤を飲んでX線で胃の形や凹凸を調べる方法です。胃がんをはじめとした胃の病気のスクリーニングに有効ですが、検査精度の点では胃カメラに軍配が上がります。また、バリウム検査で異常が見つかった場合、精密検査として最終的に胃カメラ検査が必要になります。
生理中や持病があっても受けられますか?
状況に応じて可能です。事前に医師にご相談ください。
検査後すぐに帰宅・仕事復帰できますか?
鎮静剤を使わない場合は、検査後の説明を受けた後すぐに帰宅・仕事復帰が可能です。ただし、のどの麻酔が完全に切れるまで(約1時間程度)は飲食を控えてください。
鎮静剤を使用した場合は、検査後約1時間程度休息していただき、ふらつきなどがないことを確認してからご帰宅となります。当日は車の運転を避けていただく必要があるので、可能であれば付き添いの方と一緒に来院されることをお勧めします。
検査後に出血や腹痛があった場合は?
すぐに治まるようであれば問題ありませんが、長引く場合や強い症状がある場合はすぐにご連絡ください。
よくあるトラブル・Q&A
鼻炎がある場合は経鼻検査できますか?
症状が落ち着いていれば可能です。ただし、花粉症などの症状が強い時期は経口検査をお勧めすることもあります。事前にご相談ください。
予約なしでも受けられますか?
原則として予約制ですが、緊急の場合にはご相談ください。可能な限り対応いたします。
検査結果はいつ分かりますか?
基本的な結果は検査直後にお伝えします。ただし、組織検査(生検)を行った場合は結果が出るまで1~2週間程度かかります。