胃底腺ポリープと過形成性ポリープ

胃底腺ポリープと過形成性ポリープ

胃ポリープとは?

胃ポリープとは?

胃ポリープは、胃の内側を覆う粘膜にできる腫瘍(隆起性病変)の総称です。胃ポリープには様々な種類があり、その中でも特によく見られるものが「胃底腺ポリープ」と「過形成性ポリープ」です。多くの胃ポリープは無症状であり、そのほとんどは健康診断や人間ドック、あるいは別の症状で行った胃カメラ検査で偶然発見されます。

箕面市・箕面萱野駅のながい内科循環器内科クリニックでは経験豊富な専門医が、患者様の胃ポリープの種類や性質を丁寧に診断し、分かりやすく説明いたします。「胃ポリープがあると言われた」「胃カメラの結果を説明されたが、詳しく理解できなかった」という方は、どうぞお気軽に当院へご相談ください。

胃底腺ポリープ・過形成性ポリープの特徴

胃底腺ポリープ

外見

胃底腺ポリープは、2~5mm程度の大きさで表面がツルツルとしており、胃の粘膜と同じような色調をしていることが多いです。

発生部位

主に胃の中心部(胃の中央部)に発生し、しばしば複数のポリープが集まって見られます(多発性)。多い場合は数十個のポリープが見つかることもあります。

原因

胃底腺ポリープは、ピロリ菌に感染していない、あるいは除菌治療後の胃に発生することが多いです。また、胃酸の分泌を抑える薬(プロトンポンプ阻害薬:PPI)を長期間服用している方にも見られることがあります。

リスク

胃底腺ポリープは基本的に良性で、がんに変化するリスク(悪性化)は極めて低いと考えられています。そのため、特別な治療は必要なく、経過観察が基本となります。

過形成性ポリープ

外見

過形成性ポリープは、赤みを帯びた凸凹した表面を持つポリープです。その大きさは様々で、単発のことも多発のこともあります。

発生部位

胃の広い範囲に発生しますが、特に胃の出口付近(前庭部)に好発します。

原因

過形成性ポリープの主な原因は、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の感染による慢性胃炎です。長年続いた炎症により粘膜が修復と再生を繰り返す過程で形成されると考えられています。ピロリ菌の除菌治療により、ポリープが縮小したり消失したりする例も多く報告されています。

リスク

過形成性ポリープは基本的に良性ですが、ごくまれにがんを含むことがあります。特に大きなポリープや形状が不規則なもの、急速に大きくなるものは注意が必要です。がんのリスクが低ければ経過観察となりますが、そもそもピロリ菌感染自体が胃がんのリスク要因となりますので、経過観察と合わせてピロリ菌の除菌治療を行います。

胃ポリープの症状

胃ポリープの多くは無症状ですが、大きなものになるとまれに以下のような症状を起こすことがあります。

出血による貧血

特に抗血栓薬(血液をサラサラにする薬)を服用している方はリスクが高まります。疲労感やめまい、動悸などの貧血症状につながることがあります。

胃の通過障害

非常に大きなポリープが胃の出口付近にある場合、食べ物の通過を妨げることがあります。

胃ポリープの検査と診断

胃内視鏡検査(胃カメラ検査)

口や鼻から内視鏡を挿入し、胃粘膜を直接観察し、ポリープの大きさ、形状、色調、表面の性状などを詳しく観察します。見た目の特徴から胃底腺ポリープか過形成性ポリープかをある程度判断できますが、確定診断には組織検査が必要です。

組織検査(生検)

内視鏡検査中にポリープの一部を採取(生検)し、顕微鏡で詳しく調べることで、ポリープの種類やがん化の有無を診断します。特に過形成性ポリープでは、悪性化の可能性を評価するために生検が重要となります。

ピロリ菌検査

過形成性ポリープはピロリ菌感染と強く関連しているため、ピロリ菌検査も重要です。内視鏡を使って調べられるほか、尿素呼気試験、血液検査(抗体検査)、便中抗原検査などの方法もあります。

胃ポリープの治療

胃ポリープの治療方針は、ポリープの種類や大きさ、状態によって個別に計画します。

胃底腺ポリープ

基本的に治療は不要で、定期的な胃カメラ検査で様子をみます。以下のような場合は例外で、積極的な治療を検討することもあります。

  • 大きさが1cm以上ある場合
  • 急速に大きくなる場合
  • 出血を繰り返す場合
  • 内視鏡検査で異常な所見がある場合 など

過形成性ポリープ

ピロリ菌陽性の場合は、まず除菌治療を行います。除菌成功後にポリープが縮小・消失することが多いため、まずは除菌治療後の経過を観察し、その後の対応を検討します。

ただし、以下のような場合は別の治療法を検討します。

  • 大きさが1cm以上ある場合
  • がんの可能性が疑われる場合(不整な形状、陥凹を伴うなど)
  • 出血を伴う場合
  • 除菌治療後も縮小しない場合 など

内視鏡治療、手術

治療が必要なポリープに対してまず検討されるのは、内視鏡を使った治療です。内視鏡に備わった処置具を使って物理的に病変部を切除します。ただし、内視鏡治療が困難な症例(病変が大きい、広い、数が多い、治療に伴うリスクが大きいなど)の場合には手術も検討します。

※手術が必要な場合は、提携先医療機関をご紹介いたします

経過観察の目安

胃底腺ポリープ

がん化のリスクは極めて低いため、原則として定期的な経過観察で問題ありません。経過観察中に気になる腹痛や胃もたれ、食欲不振などの腹部症状が新たに出現した場合は、すぐにご相談ください。

過形成性ポリープ

ピロリ菌除菌後も、年1回程度の内視鏡検査による経過観察が推奨されます。これは、除菌後にポリープが縮小・消失するか確認するためと、新たなポリープの発生や既存のポリープの変化を見逃さないためです。

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