⾎便・便潜⾎陽性の精密検査

⾎便・便潜⾎陽性の精密検査

血便が出た、便潜血陽性になったら精密検査を

血便が出た、便潜血陽性になったら精密検査を

健康診断や大腸がん検診で「便潜血陽性」と指摘されたり、血便に気づいたりした場合、多くの方が不安を感じられるでしょう。箕面市・箕面萱野駅のながい内科循環器内科クリニックでは、そうした患者様に精密検査の重要性をご理解いただき、安心して検査を受けていただけるようサポートしています。早期に原因を特定することが大切ですので、不安がらずにお気軽にご相談ください。

血便・便潜血陽性とは?

血便

一般的に肉眼で見て便が赤く変色している状態を指します。鮮血が付着している場合や暗赤色~黒色になっている場合など、性状や色に違いはありますが一目で「血が混じっている」と判断できるのであれば血便です。鮮血の場合は肛門付近や直腸からの出血であることが多く、黒色便は上部消化管(胃や十二指腸など)からの出血の可能性があります(下血)。

便潜血陽性

健康診断や大腸がん検診で行われる便潜血検査で、便中に肉眼では見えない微量の血液が検出された状態を指します。便潜血検査は大腸がんのスクリーニング検査として広く用いられており、症状が現れる前の早期段階で病変を発見するための重要な手段となっています。

便潜血検査の意義と精度

便潜血検査は大腸がんや大腸ポリープなどの早期発見を目的としたスクリーニング検査です。一般的に2日法(2回分の便を採取して検査)で行われることが多く、1回でも陽性であれば精密検査が必要とされています。

便潜血検査の結果から大腸がんや大腸ポリープが見つかることは多々あるものの、検査の精度は完全ではありません。偽陽性(実際には病気がないのに陽性と出る)や偽陰性(病気があるのに陰性と出る)もありますので、便潜血陽性の場合は必ず精密検査を受けるようにしましょう。

便潜血検査の限界と注意点

検出率の限界

便潜血検査(2回法)は進行がんの約80%、早期がんの約50%を発見できるとされています。しかし、逆に言えば進行がんの20%、早期がんの半数は見逃される可能性があります。

偽陽性と偽陰性

食事内容や薬剤の影響で偽陽性になることがあります。また、便潜血検査は出血の有無を確認する検査なので、出血していない病変を見つけることはできません(偽陰性)。

継続的な検査の重要性

大腸がんは時間をかけて発生・成長するため、一度陰性だったとしても定期的に検査を続けることが重要です。特に発症リスクが上昇する40歳以上の方は、年1回の便潜血検査が推奨されています(多くのがん検診は、年1回、40歳以上の方を対象に実施されています)。

便潜血陽性を放置するリスク

早期発見の機会を逃す

症状がない早期の段階で発見できる貴重な機会を逃してしまいます。早期大腸がんは内視鏡治療で完治できることが多いですが、進行してからでは大きな手術や化学療法が必要になることがあります。

進行のリスク

大腸がんは通常、早期から進行がんになるまでに数年かかると言われていますが、中には進行の速いタイプもあります。便潜血陽性を放置すると、その間にがんが進行してしまう可能性があります。

生存率への影響

早期大腸がんの5年生存率は90%以上ですが、進行がんでは大きく低下します。便潜血陽性の放置により、助かるはずだった命を落とす結果になりかねません。

血便・便潜血陽性の背景疾患

大腸ポリープ

大腸ポリープは大腸の粘膜から盛り上がった組織で、その一部は将来的に大腸がんになる可能性がある「前がん病変」です。多くの場合は無症状ですが、大きなポリープでは表面から出血を起こすことがあり、便潜血検査で発見されます。

大腸がん(結腸がん・直腸がん)

大腸がんは早期段階では症状がほとんどなく、便潜血検査で初めて発見されることが多いがんです。早期発見できれば内視鏡治療で完治が望めます。

炎症性腸疾患

潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患では、腸管の粘膜に炎症や潰瘍ができるため出血を起こすことがあります。下痢や腹痛を伴うことも多い疾患です。

感染性腸炎

細菌やウイルスによる腸の感染症で、腸管粘膜の炎症から出血を伴うことがあります。通常は下痢や腹痛などの症状を伴います。

大腸憩室症(憩室出血)

大腸の壁が部分的に外側に袋状に突出する病気で、炎症を起こすと(憩室炎)出血することがあります。左下腹部痛を伴うことが多いですが、無症状のこともあります。

肛門付近の静脈が腫れたり(痔核)、肛門の粘膜に裂け目ができたり(裂肛)することで出血することがあります。排便時の痛みや違和感を伴うことが多いですが、便潜血検査では区別できないため精密検査が必要です。

上部消化管疾患

胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの上部消化管からの出血も、便潜血陽性の原因となることがあります。特に黒色便(コールタールのように真っ黒な便)の場合は上部消化管からの出血を疑います。

痔と便潜血陽性の関係

便潜血陽性の原因の多くは痔です。しかし、便潜血検査では出血が痔によるものか、大腸の病気によるものかを区別することはできません。「痔からの出血だと思っていた」が、実際には大腸がんからの出血だったというケースも少なくありません。

特に長く痔を患っている方は、肛門からの出血が見られてもあまり意識しないかと思いますが、自己判断で「痔からの出血だろう」と放置することは非常に危険です。便潜血陽性の方は、痔の自覚症状があっても必ず大腸内視鏡検査を受けることが推奨されています。

便潜血陽性時の精密検査

便潜血検査で陽性となった場合、精密検査として推奨されるのが大腸内視鏡検査(大腸カメラ)です。大腸内視鏡検査は大腸全体を直接観察できる検査で、小さな病変も発見できる高い精度を持っています。

便潜血検査で1回だけ陽性の場合でも、大腸がんが見つかる可能性があります。早期に発見できれば、低侵襲な治療でがんを完治させることもできます。特に40歳以上の方や大腸がんの家族歴がある方は、便潜血陽性を軽視せず、必ず精密検査を受けることが重要です。

大腸内視鏡検査の流れと特徴

大腸内視鏡検査は、肛門から細い内視鏡を挿入して大腸全体の粘膜を直接観察する検査です。検査時間は通常15~30分程度で、鎮静剤および鎮痛剤を使用することで、眠った状態で苦痛なく検査を受けることも可能です。現在では医療技術の発展により、イメージされるよりも楽に検査を受けられるようになっています。

検査中にポリープなどの病変が見つかれば、その場で切除したり、組織検査(生検)を行ったりできます。検査と診断(場合によっては治療も)を同時に行えるのが、内視鏡検査の大きな特徴です。これにより、別日に再度検査や治療のために来院する必要がなくなることが多いです。

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