⾷道がん

⾷道がん

食道がんとは?

食道がんとは?

食道がんは、食道の内面を覆っている粘膜の表面から発生する悪性腫瘍(がん)です。進行性の疾患であり、早期であれば内視鏡治療で完治も可能ですが、進行がんになると治療は複雑になります。食道がんは消化管がんの中でも特に転移のリスクが高いため、他のがん以上に早期発見が重要です。

「飲み込む時に違和感がある」「食べ物がつかえる」といった症状があれば、箕面市・箕面萱野駅のながい内科循環器内科クリニックへお気軽にご相談ください。

食道がんの種類

扁平上皮がん

食道の内側を覆う扁平上皮という細胞から発生するがんです。日本人の食道がんのほとんどがこのタイプで、特に喫煙や飲酒習慣がある方に多く見られます。表面から徐々に深部へ進行し、比較的早期からリンパ節に転移しやすい特徴があります。初期は無症状ですが、進行すると飲み込みにくさなどが現れます。

腺がん

主に食道の下部(食道と胃の境目付近)に生じるがんです。胃酸の逆流によって食道粘膜が傷つくこと(逆流性食道炎)が原因となることが多いです。欧米では食道がんの主流で、日本でも増加傾向にあります。

食道がんの症状と進行

がんの進行度は「ステージ」で示され、0からⅣまでの5つの段階に分類されます。ステージが進むほど重症のがんとなります。

※がんのステージについて詳しくはこちらのページもご覧ください

早期食道がん(ステージ0~Ⅰ)

食道がんを含む消化器がんの大きな特徴は、初期段階では症状がほとんどないことです。特にがんが粘膜下層内に留まっている早期がんでは、自覚症状はほぼありません。そのため、定期的な検診や内視鏡検査が早期発見のカギとなります。

進行食道がん(ステージⅡ~Ⅲ)

がんが進行すると徐々に症状が現れ始めます。主な症状には以下のようなものがあります。

胸の違和感やチクチク感

食道の粘膜層から粘膜下層へとがんが広がる際に起こります。軽い胸の違和感程度なので、見過ごされがちです。

飲食物のつかえ感(嚥下困難)

最初は固形物(ご飯やパンなど)がつかえる程度ですが、進行すると水分もつかえるようになります。

体重減少

嚥下困難によって食事の摂取自体が困難になったり、食欲低下が起こったりすることで生じます。短期間で急激な体重減少(半年~1年以内に体重の5%以上の減少)があった場合は、すぐに受診してください。

転移性食道がん(ステージⅣ)

食道がんが進むと、胸や背中の痛み、持続的な咳、声のかすれ(嗄声)などの症状も現れます。こうした症状はがんが周囲の臓器や神経に浸潤(しみこんで広がること)することで起こるので、症状を自覚した場合はすぐに受診してください。

食道がんの原因

喫煙・飲酒

食道がんの発症には生活習慣が大きく関わっています。中でも特に重要な原因は喫煙と飲酒です。両方の習慣がある方は、どちらの習慣もない方と比べて食道がんのリスクが増加します。

飲酒時に体内で生成されるアセトアルデヒドという物質は、発がん性があることが知られています。この物質を分解する酵素(ALDH2)の活性が弱い人は、特に食道がんのリスクが高くなります。「お酒を飲むとすぐに顔が赤くなる」方はこの酵素の活性が弱い可能性があり、特に注意が必要です。

熱い飲み物をよく飲む

熱い飲み物(お茶、味噌汁など)を習慣的に摂取することも食道がんのリスク要因となります。食道粘膜が繰り返し熱刺激を受けることでがん化しやすくなると考えられています。あまり高温で飲まず、ほどほどに冷ましてから飲むようにしましょう。

その他

  • 食道アカラシア(食道の運動異常)
  • 胃酸の逆流(逆流性食道炎)
  • ビタミンや微量栄養素の不足
  • 香辛料など辛い物の過剰摂取
  • 食道がんの家族歴 など

食道がんの検査と診断

胃内視鏡検査(胃カメラ検査)

内視鏡(胃カメラ)を使って食道の内面を直接観察し、病変の形状、大きさ、色調などを詳細に確認します。

組織採取(生検)

採取した組織を顕微鏡で観察することでがんの確定診断が可能になります。内視鏡検査で疑わしい病変を見つけた場合は、その場で組織採取が可能です。

画像検査

がんの進行度(深達度や転移の有無)を調べるためには、以下の検査を組み合わせて行います。

  • CT検査:胸腹部の臓器の評価、リンパ節転移、他臓器転移の確認
  • MRI検査:CTで評価困難な部位の精査
  • 超音波内視鏡(EUS):がんの深達度を正確に評価

その他の検査

治療方針の決定のためには患者様の全身状態の評価も重要です。血液検査で肝機能、腎機能、栄養状態を、心電図や呼吸機能検査で心肺機能を評価します。

食道がんの治療

食道がんの治療方針は、がんの進行度(ステージ)と患者様の全身状態を総合的に判断して決定します。主な治療法には以下のようなものがあり、進行度順にご説明いたします。基本的には、早く治療を開始するほど負担の少ない治療で済み、良好な予後が期待できます。

内視鏡下での治療

内視鏡に備わった処置具を使い、がんを切除します。適応となるのは、リンパ節転移の可能性が低い早期食道がんに限られますが、体への負担を最小限に抑えた治療が可能です。治療後の食道の機能にもほとんど影響しないことが多いです。

外科的治療(食道切除術)

進行食道がんに対する標準的な治療法です。手術では食道とともに、周囲のリンパ節郭清(切除)も行います。手術は体への負担が大きいため、患者様の全身状態や年齢なども考慮して適応を決定します。

後述する化学療法(抗がん剤治療)でがんを小さくしてから行うことが多いです。

放射線療法

特殊な放射線を体外からがんに向かって照射する治療法です。放射線によってがん細胞を死滅させる、あるいは細胞の増殖を抑えることでがんの進行を抑えます。手術困難例に対する治療や、痛みなどの症状緩和を目的に行います。

化学療法(抗がん剤治療)

様々な薬剤を使ってがんの増殖を抑え、転移を予防します。上述した方法はいずれも局所的な治療法ですが、抗がん剤治療は広範囲に効果が及ぶという特徴があります。血液やリンパなどに影響を及ぼしている場合など、広範囲に対する治療が必要な場合に選択肢となります。

また、手術前後の補助目的として実施するほか、放射線療法との併用(化学放射線療法)、完治が困難な例での延命・症状緩和など、様々な使い方があります。

※当院で行っていない治療は、提携先医療機関と連携して実施します

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