内視鏡による精密検査の重要性

健康診断や人間ドックで行ったバリウム検査や便潜血検査で「要精密検査」と指摘されたにもかかわらず、「症状がないから」「仕事が忙しいから」と放置していませんか?通知は煩わしいかもしれませんが、病気を早期発見・早期治療できるチャンスでもあります。自覚症状がなくても、必ず検査を受けるようにしましょう。
箕面市・箕面萱野駅のながい内科循環器内科クリニックでは、内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ検査)による精密検査を行っており、要精密検査の原因を専門医が的確に鑑別いたします。安心して検査を受けていただけるようスタッフ一同サポートいたしますので、お気軽にご相談ください。
二次検査が必要な理由
早期発見のチャンス
胃がんや大腸がんの多くは、初期段階では症状がほとんどなく進行します。痛みや不快感などの自覚症状が現れる時には、すでに進行がんになっているか可能性があります。健診で「要精密検査」と指摘されることは、症状が出る前の早期段階で病変を発見するチャンスです。
進行した胃がんや大腸がんは命に関わりますが、早期に発見できれば内視鏡を使った日帰り手術で完治できることもあります。精密検査を受けることは、重大な病気の早期発見・早期治療につながる重要なステップなのです。
一次検査の限界をカバーする
健康診断で行われるバリウム検査や便潜血検査には一定の限界があります。バリウム検査(胃部X線検査)は胃がん検診などで広く行われている検査で、胃がんの発見に有効な検査であることは間違いありません。しかし、特に早期の病変や、胃の一部が折り重なって隠れてしまう部分の病変は発見しにくいことがあります。
同様に、便潜血検査は大腸がんのスクリーニングに有効な検査ですが、この結果からは「便に血が混じっている」ということしか分かりません。大腸がんからの出血であるのか、痔からの出血であるのか、便潜血検査の結果のみでは判定できないのです。
こうした一次検査の限界を補うためにも、内視鏡による精密検査が重要になります。内視鏡検査は直接病変を観察できるため、より正確な診断が可能です。
要精密検査を放置するリスク
「要精密検査」と言われても、忙しさから検査を先延ばしにしている方も多いでしょう。しかし、もし悪性の病変があった場合、1年検査を遅らせると生存率が大きく下がる可能性もあります。
例えば、早期の胃がんや大腸がんが1年間で進行がんに変化することもあり得ます。早期がんなら内視鏡治療で済むものが、進行がんになると開腹手術や抗がん剤治療が必要になることもあります。
「たぶん大丈夫だろう」という楽観的な考えで精密検査を放置することは、治療の選択肢を狭め、治療成績を悪化させるリスクがあることを理解しておきましょう。
内視鏡による精密検査の対象となる検査
胃バリウム検査(胃部X線検査)
胃バリウム検査で以下のような所見が認められた場合、胃炎、胃潰瘍、胃ポリープ、胃がんなどの可能性を示唆しますが、バリウム検査だけでは確定診断はできません。内視鏡検査で直接観察し、必要に応じて組織検査(生検)を行うことで、正確な診断が可能になります。
造影剤のはじき像(透亨像)
レントゲン写真でバリウムがはじかれているように見える変化です。これは隆起型(盛り上がった形状)の病変がある可能性を示唆しています。
考えられる原因疾患
胃がん、胃ポリープ、胃粘膜下腫瘍、胃悪性リンパ腫など
造影剤の溜まり像(陰影斑、ニッシェ)
レントゲン写真でバリウムが特定の部分に溜まっているように見える変化です。バリウムの淡い溜まり像を陰影斑、濃い溜まり像をニッシェと呼び、溜まり方の濃さで胃粘膜の欠損部の深さを区別します。
考えられる原因疾患
胃がん、胃潰瘍、胃悪性リンパ腫、びらん性胃炎など
粘膜不整像
レントゲン写真で胃粘膜の表面がザラザラして不整に見える変化です。粘膜の状態を詳しく観察するためには、やはり内視鏡検査が必要です。
考えられる原因疾患
ピロリ菌感染症(慢性胃炎、萎縮性胃炎)、早期胃がん、胃悪性リンパ腫など
変形像
レントゲン写真で胃の形に変形が認められる所見です。
考えられる原因疾患
胃潰瘍の瘢痕(傷跡)、進行胃がん、胃悪性リンパ腫など
硬化像
胃の膨らみが悪くなった印象の変化が見られる所見です。胃粘膜にもゴツゴツとした変化が見られます。
考えられる原因疾患
胃がん(進行胃がん)など
便潜血検査
便潜血検査は、肉眼では見えない微量の血液を便中から検出する検査です。実は便潜血検査陽性の原因の多くは肛門病変(痔)によるものなのですが、胃がんや大腸がんからの出血である可能性も否定できないため、内視鏡検査による精密検査が必要です。
精密検査をご依頼いただく際の流れ
当院での精密検査を希望される場合は、必ず健康診断や人間ドックで精密検査を指示されていることが分かる書類をお持ちください。精密検査のためには、健診でどのような異常が見られたのかを把握する必要があるからです。あまり難しく考えていただく必要はなく、基本的には結果報告用紙などの「受け取られている書類をすべて」持参していただければ問題ありません。
精密検査には事前診察が必要です
内視鏡検査を行うためには、事前に医師による診察が必要です。初診時にすぐに検査はできませんのでご注意ください。
要精密検査となったことを踏まえて診察を行い、改めて精密検査の適応を判断し、検査日を決定いたします。
精密検査の内容
胃内視鏡検査(胃カメラ検査)
口や鼻から細い内視鏡を挿入し、食道・胃・十二指腸を直接観察する検査です。バリウム検査や便潜血検査では見つけにくい小さな病変も発見できます。検査時間は10~15分程度で、必要に応じて鎮静剤を使用することも可能です。
大腸内視鏡検査(大腸カメラ検査)
肛門から内視鏡を挿入し、大腸全体を観察する検査です。便潜血検査では詳しく分からない大腸の異常も直接確認でき、ポリープなどがあればその場で切除することも可能です。検査時間は10~20分程度で、鎮静剤を使うことで内視鏡挿入の苦痛を軽減できます。