早期⼤腸がん

早期⼤腸がん

早期大腸がんについて

早期大腸がんについて

大腸がんが生じても、進行する前に適切な治療を行えれば、高い確率で完治が期待できます。しかし、大腸がんは症状がないまま進行することも多いため、早期治療には定期的な検査による早期発見が何よりも重要です。

箕面市・箕面萱野駅のながい内科循環器内科クリニックでは、専門医による大腸カメラ検査により、早期大腸がんを含む様々な大腸疾患の診断・治療を行っています。症状がある方はもちろん、健診目的での大腸カメラを検討されている方もお気軽に当院へご相談ください。

早期大腸がんの定義

粘膜内に留まるがん

早期大腸がんとは、大腸の壁の表面にある粘膜、または粘膜のすぐ下の層(粘膜下層)までにとどまっているがんを指します。まだ周囲への転移を起こしていないことが多いので、その場合は内視鏡を使って治療(切除)することで、進行がんとなるのを予防できます。

日帰り手術で根治可能な段階

早期大腸がんがとても重要視される理由は、この段階で適切に治療すれば完治する可能性が非常に高いからです。進行した大腸がんでは開腹手術や放射線治療、抗がん剤治療などの体に負担のかかる治療が必要となる上、病態によっては治療しても完治するとは限りません。しかし、早期大腸がんの段階では内視鏡を使った外来での日帰り手術により、完治すら目指せる可能性があるのです。

大腸の層構造と進行度

大腸がんの進行度を理解するために、まずは大腸の壁がどのような層構造になっているかを知っておきましょう。

大腸の壁は、内側から外側に向かって以下のような層構造になっています。大腸がんの多くはこのうちの粘膜層に発生し、進行するにつれて漿膜に向かって浸潤していきます。

  • 粘膜層:大腸の最も内側の層で、食物と接する部分
  • 粘膜下層:粘膜の下にある層で、血管やリンパ管が豊富
  • 固有筋層:腸を収縮させる筋肉の層
  • 漿膜下層:筋層の外側にある結合組織
  • 漿膜:大腸の最も外側の薄い膜

がんのステージ(病気)について

大腸がんの病期はステージで表記され、0から4までの5段階で分類されます。このうち、一般的に早期がんに該当するのはステージ1までです。

※大腸がんのステージについて詳しくはこちらのページをご覧ください

Tis(上皮内がん/粘膜内がん)

粘膜内にとどまっているがんで、リンパ節への転移リスクはごくわずかです。内視鏡を使って治療できることが多いです。

T1a(粘膜下層浅部浸潤)

粘膜層の奥にある粘膜下層の浅い部分まで浸潤しているがんです。この段階でもまだリンパ節への転移リスクは低く、内視鏡治療の適応となる可能性もあります。

T1b(粘膜下層深部浸潤)以降

粘膜下層の深い部分まで浸潤しているがんです。リンパ転移のリスクがやや高いため、基本的に外科手術を検討します。浸潤の程度にもよりますが、これ以降がいわゆる進行がんに該当します。

大腸ポリープとの関係

大腸がんがいきなり発生することはまれで、多くは大腸ポリープから変化して発生します。大腸ポリープの約80%は腺腫と呼ばれる良性腫瘍ですが、この腺腫のうちの一部が時間経過で肥大化し、大腸がんに変化するのです。

がん化する大腸ポリープは比較的まれな上、どの腺腫ががん化するかを判別することは困難です。そのため、大腸ポリープががん化を起こす前、あるいはがん化を起こし始めてすぐに切除することで、大腸がんの進行による健康被害を予防します。

大腸ポリープ(腺腫)と早期大腸がんの比較

特徴 腺腫性ポリープ 早期大腸がん
性質 前がん病変(良性) 悪性腫瘍
サイズ 5mmから数cm 2cm以下が多い
がん化リスク 1cm以下:数%、2cm以上:約30% 確定診断済み
治療の緊急性 経過観察または切除 緊急切除が必須
浸潤性 なし あり(程度による)

早期大腸がんの発見に必要な検査

大腸内視鏡検査(大腸カメラ検査)

早期大腸がんの発見に特に有効な検査は大腸内視鏡検査(大腸カメラ)です。内視鏡には以下のような機能が備わっており、医師の観察眼と合わせて早期大腸がんの確実な発見をサポートしてくれます。

特殊光撮影

特殊な光で血管パターンを観察し、がんの有無を判断します。肉眼では捉えられないほど微細な早期がんでもハイライト表示されるので、確実な発見に非常に有効です。

インジゴカルミン、ヨード染色

病変の表面構造や境界を明確にするために色素を散布する方法です。微細な変化も確認しやすくなります。

拡大観察

特殊なレンズを使って病変を拡大して観察することで、微細な表面構造や血管パターンを詳しく調べられます。

病理診断の重要性

内視鏡検査のもう1つの特徴は、カメラに備わった処置具を使って組織採取ができることです。疑わしい病変を見つけた場合、組織を一部採取して組織検査(生検)を行うことで、病気の確定診断が行えます。これにより以下を判定できるので、今後の治療方針を立てるのに大きく役立ちます。

  • 良性(腺腫)か、悪性(がん)か
  • がんの場合、どの程度分化しているか(分化度)
  • がんの浸潤の深さや程度 など

早期大腸がんの治療とその後の対応

内視鏡治療

内視鏡によって病変部を切除し、がん細胞を残らず取り切れていれば、追加の治療はありません。内視鏡治療の適応は慎重に判断し、実施する場合は可能な限り「1度の治療で取り切れるもの」に絞ります。

ただし、再発や新たなポリープの発生がないか確認するため、治療後も定期的な大腸カメラ検査を実施して経過観察を行います。

病理結果に基づく対応

切除した組織に対する病理検査の結果によっては、追加の治療が必要になることがあります。

垂直断端陽性

内視鏡で切除した時、組織の底の部分にまだがん細胞が残っていることがあります。この場合、残ったがん細胞を取り除くために追加の手術(外科手術)が必要になることがあります。

脈管侵襲・リンパ管侵襲あり

がん細胞が血管やリンパ管に入り込んでいることが確認された場合、これらの流れに乗って全身への転移を起こすリスクが高まります。この場合も追加の手術が必要になることがあります。

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