⼤腸憩室症

⼤腸憩室症

大腸憩室症とは?

大腸憩室症とは?

大腸憩室(症)は、大腸の壁の一部が外側に向かって袋状に突出した部分のことです。腸の壁が弱い部分に起こりやすく、大腸の内圧が上昇することにより発生します。多くの場合は無症状で特段の治療は必要ありませんが、憩室に炎症(憩室炎)が起こると強い症状を引き起こします。
「下腹部の痛みが続く」「便に血が混じる」などの症状でお悩みの方は、大腸憩室症に関連する症状かもしれません。箕面市・箕面萱野駅のながい内科循環器内科クリニックへお気軽にご相談ください。

大腸憩室症の原因

加齢による腸壁の脆弱化

年齢とともに腸の筋層が薄くなり、大腸壁に弱い部分ができやすくなります。

腸管内圧の上昇

便秘や食物繊維不足により腸内の圧力が高まると、弱い部位が外側に押し出されます。

便通異常

慢性的な便秘や下痢を繰り返すことで腸管内圧が変動し、憩室が生じやすくなります。

遺伝的要因

家族に大腸憩室症の方がいる場合、発症リスクが高まる可能性があります。

大腸憩室症の症状

無症状

大腸憩室症の多くは無症状で経過し、他の目的で行われた大腸カメラ検査で偶然発見されることがほとんどです。憩室があるだけでは健康上の問題はなく、特別な治療も必要ありません。

合併症が起きた場合の症状

憩室炎

憩室内に便が溜まり、細菌が増殖して炎症が起こる状態です。軽症から重症まで様々ですが、炎症が強い場合は以下のような症状が現れます。

  • 強い腹痛
  • 発熱
  • 吐き気・嘔吐
  • 便通異常(下痢や便秘)など

憩室炎による炎症が腹部全体に広がる(汎発性腹膜炎)と、敗血症やショック症状(血圧低下、意識障害など)などの重篤な症状を起こします。また、憩室炎が膀胱の近くで起きた場合、膀胱まで炎症が広がって排尿障害を引き起こすこともあります。

憩室出血

憩室内の血管が破れて出血する状態です。出血に伴う腹痛などはなく、出血も自然に止まりますが、再発率が高いのが特徴です。一度憩室出血を起こした方は、定期的な経過観察が必要となります。

  • 突然の鮮血便または暗赤色の血便
  • 通常は腹痛を伴わない
  • 大量出血の場合は貧血症状(めまい、立ちくらみ、動悸など)など

大腸憩室症の検査と診断

血液検査

血液の成分から体内の炎症反応や、貧血の有無を調べます。

腹部CT検査

特殊な放射線を使って腹部の断面画像を撮影します。憩室の有無や数、分布を確認しつつ、憩室炎の程度、膿瘍の有無、穿孔の有無を評価できます

大腸内視鏡検査(大腸カメラ検査)

肛門から内視鏡を挿入して大腸憩室を直接観察します。出血時には出血源の特定や止血処置も同時に行えるという特徴があります。しかし、憩室炎の急性期には穿孔のリスクがあるため、炎症が落ち着いてから行うことが多いです。
※当院で行っていない検査が必要な場合は、提携先医療機関と連携して実施します

大腸憩室症の治療

経過観察

単に憩室があるだけの場合は、特別な治療は必要ありません。憩室炎や憩室出血の予防として、生活習慣の改善(食物繊維の摂取、水分補給など)をご提案する程度です。

憩室炎の治療

腸管の安静を保つことを第一とします。一時的な食事制限(絶食、あるいは流動食)や十分な栄養・水分補給、抗菌薬の内服によって治療します。中等症~重症例で絶食を行う場合は、点滴による栄養・水分補給を行うため、入院治療が必要になることもあります。これらの治療でほとんどの憩室炎は軽快します。

合併症を伴う重症例

膿瘍(膿が溜まった状態)形成時は、膿の排出処置(ドレナージ)が必要になります。また、穿孔(腸壁に穴があく)や腹膜炎を起こしている場合には、緊急手術が必要となることもあります。

憩室出血の治療

多くの憩室出血は自然に止まるため、少量であれば安静と経過観察が基本となります。血が持続する場合、大腸カメラで止血処置(クリップ止血など)を行います。
内視鏡での止血が難しい場合や、大量出血を起こしている場合は、手術が必要になることもあります。

再発予防と日常生活上の注意

憩室炎や憩室出血は非常に再発しやすいため、治療後は以下のような生活習慣の改善が重要です。

食物繊維の摂取

野菜、果物、全粒穀物などを積極的に摂ることで、便通を整え腸管内圧を下げます。

十分な水分摂取

水分不足は便秘の原因となり、憩室炎・憩室出血の再発リスクを高めます。1日1.5~2ℓを目安に水分補給を行いましょう。

規則正しい食事

一度に大量の食事を摂らず、バランスの良い食事を心がけましょう

適度な運動

ウォーキングなどの軽い運動は腸の動きを活発にし、便秘の改善に効果が期待できます。

規則正しい排便習慣

規則正しい排便習慣を意識することで、便秘の改善が期待できます。

再発時の対応

腹痛や発熱、血便などの症状が現れたら、すぐに当院へご相談ください。特に出血の既往がある方は、再出血のリスクが高いため注意が必要です。

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