⼤腸脂肪腫

⼤腸脂肪腫

大腸脂肪腫とは?

大腸脂肪腫とは?

大腸脂肪腫は、大腸の粘膜下層に脂肪細胞が集まってできた良性の腫瘍です。悪性化(がん化)することはほとんどなく、多くの場合は症状がないため、健康診断や人間ドックでの大腸内視鏡検査(大腸カメラ)で偶然発見されることが多いです。発見されても過度に心配する必要はありませんが、腫瘍の大きさや発生部位によっては症状を起こすこともあるので、その場合は治療が必要となります。
「大腸カメラで脂肪腫と言われた」「腹部の不快感がある」などでお悩みの方は、お気軽に箕面市・箕面萱野駅のながい内科循環器内科クリニックへご相談ください。経験豊富な医師が患者様の状態に合わせて最適な治療をご提案します。

大腸脂肪腫の症状

無症状

大腸脂肪腫の多くは無症状で、大腸カメラ検査や大腸CT検査など、他の目的で行われた検査で偶然発見されることがほとんどです。特に2cm以下の小さな脂肪腫では、症状が現れることはまれです。

腹痛・腹部膨満感

脂肪腫が大きくなると、腸管内の通過障害を引き起こし、腹痛や膨満感の原因となることがあります。

便通異常

大きな腫瘍が大腸内腔を狭くすると、便秘と下痢を繰り返す、便の形状が変わる(小さくなる、細くなる)などの症状が現れることがあります。

血便

脂肪腫の表面を覆う粘膜からの出血が起こると、血便が見られることもあります。症状の出血であれば肉眼では分かりませんが、便潜血検査で陽性反応がでます。

腸閉塞の症状

大きな脂肪腫が腸管を塞ぐと腸閉塞を引き起こすことがあり、以下のような症状が現れます。重症例では緊急処置が必要になることもあります。

  • 強い腹痛
  • 著しい腹部膨満
  • ガスや便が出なくなる
  • 吐き気・嘔吐 など

大腸脂肪腫の原因

遺伝的要因

大腸脂肪腫の発生には遺伝的な要素が関与している可能性があります。家族内に腫瘍やポリープを多く持つ方がいる場合、発症のリスクが高くなることがあります。特に、複数の脂肪腫がある(多発性脂肪腫)家系では、遺伝的な素因がより強く影響していると考えられます。

加齢

年齢を重ねることで大腸内の脂肪組織が増加し、脂肪腫が発生するリスクが高まります。統計的には50歳以上の方に多く見られ、年齢とともに発生頻度が上昇します。このため、特に高齢の方には定期的な大腸検査が推奨されます。

腸内の炎症

炎症により腸管壁の構造が変化し、脂肪組織の異常な増殖を促す可能性も示唆されています。クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患の患者様では、一般の方より大腸脂肪腫が見つかる割合がやや高いという報告もあります。

大腸脂肪腫の検査と診断

大腸内視鏡検査(大腸カメラ検査)

大腸カメラ検査では、脂肪腫は黄色調の柔らかい隆起病変として観察されます。大腸脂肪腫に特徴的な所見として「クッションサイン」があります。これは生検鉗子で腫瘍を押すと、まるでクッションのように凹んで元に戻る性質のことで、診断の大きな手がかりとなります。

組織検査(生検)

内視鏡検査時に腫瘍の一部を採取し、顕微鏡で調べます。悪性腫瘍の可能性を評価するために実施します。

CT検査

CT検査では、脂肪腫は特徴的な脂肪密度を示します。また、腫瘍の大きさや周囲組織との関係も評価できます。

超音波内視鏡(EUS)

通常の内視鏡に超音波装置を組み合わせた検査で、腫瘍の深さや周囲組織への影響を詳細に評価できます。
※当院で行っていない検査が必要な場合は、提携先医療機関と連携して実施します

大腸脂肪腫の治療

大腸脂肪腫の治療方針は、大きさ、症状の有無、位置などを考慮して決定します。

経過観察

2cm以下の小さな脂肪腫で無症状の場合や、悪性腫瘍(がん)でないことが検査で確定している場合は、経過観察に留めます。良性腫瘍であっても、大きくなると出血や腸閉塞などの合併症を起こすこともあるため、年に1度を目安に検査(大腸カメラやCT)を実施します。

内視鏡治療

症状がある場合やサイズの大きなもの(一般的に2~3cm程度)は、内視鏡を使って切除することもあります。脂肪腫は粘膜下層にあるため、通常のポリープ切除より難しく、穿孔(腸に穴があくこと)のリスクがあります。そのため、内視鏡治療の適応は慎重に判断します。

外科手術

3cm以上の大きなものや、内視鏡による切除が困難な位置にあるもの、悪性腫瘍が疑われるものには、外科手術も検討します。
※提携先医療機関と連携して実施します

治療時の注意点

経過観察中の注意点

定期検査の継続

定期的に大腸カメラ検査やCT検査を受け、脂肪腫のサイズの変化を確認しましょう。

症状の変化に注意

以下のような症状が現れた場合は、脂肪腫が大きくなっている可能性があります。すぐに当院へご相談ください。

  • 腹痛が出現または強くなった
  • 便の形状や排便習慣に変化が生じた
  • 血便が見られるようになった
  • 便潜血検査で陽性になった
  • お腹の張りが気になるようになった など

内視鏡治療後の注意点

出血のリスク

治療後約1週間は出血リスクがあるため、激しい運動や入浴(シャワーは可)、飲酒、刺激物の摂取などを控えていただきます。

腹痛や発熱

強い腹痛や発熱がある場合は、穿孔などの合併症の可能性があるため、すぐに当院へご相談ください。

便の変化

便の色や性状に変化がないか観察し、血便が見られた場合はすぐにご相談ください。

術後の定期検査

脂肪腫が再発することはまれですが、他の部位に新たな脂肪腫ができることや、大腸ポリープなど他の病変ができる可能性はあります。治療後も定期的な大腸カメラ検査(通常は1~3年ごと)を受けるようにしてください。

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