胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)は、胃炎や胃がんの早期発見には欠かせない検査です。
しかし、
「胃カメラ検査はとてつもなく辛いと聞いた」
「胃カメラのしんどさに耐えられる自信がない」
と、胃カメラ検査に対して不安を抱いている方も多いのではないでしょうか?
胃カメラ検査を辛く感じるのには、理由があります。
しかし、胃カメラについて詳しく知ることで、その不安を軽減できる可能性があります。
そこで、今回は以下の内容について解説します。
- 胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)はなぜ必要?
- 胃カメラを絶対無理だと思う理由
- 胃カメラの不安を軽減させる3つのポイント
- 胃カメラは拒否できる?
この記事を読むことで、胃カメラ検査の必要性を知り、胃カメラに対する不安を取り除くことができるでしょう。
「胃カメラ検査は絶対無理」とお思いの方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)はなぜ必要?
「症状がないのに、胃カメラ検査を受けなければならないのか?」
と、お考えの方も多いでしょう。
胃カメラは、胃がんの早期発見に役立つ検査です。
多くの胃がんはピロリ菌感染によるものだということが知られています。
ピロリ菌は慢性胃炎(萎縮性胃炎)や胃・十二指腸潰瘍を起こし、胃の粘膜を傷つけます。
この傷ついた部分から胃がんが発生することがわかっているのです。
ピロリ菌に感染しただけでは自覚症状は起こりません。
そこで、有用なのが胃カメラ検査です。
胃カメラでは胃の粘膜を直接観察し、ピロリ菌感染の有無を判断します。
さらに、胃の粘膜の組織の一部を採取し、顕微鏡での診断も行います。
つまり、胃カメラは胃がんの原因となるピロリ菌の感染の有無を診断するうえで、非常に有用な検査なのです。
なおピロリ菌の感染が判明した場合は、すぐに除菌治療を行います。
また、定期的な胃カメラ検査で胃がんの初期病変を発見できれば、すぐに治療へ移行できます。
胃カメラはピロリ菌による胃がんのリスクを下げるだけでなく、胃がんの早期発見・早期治療にもつながる検査のため、定期的に受けることが推奨されているのです。
胃カメラを絶対無理だと思う理由
胃カメラが苦しい原因の多くは、「オエッ」となる咽頭反射(嘔吐反射)です。
また、胃カメラ検査時には胃の襞と襞の間を観察するために空気を注入するのですが、その空気がおなかを膨らませて苦しいという意見も。
げっぷを我慢しなくてはならないことも、辛さにつながるようです。
胃カメラ中に嘔吐反射を繰り返したり、げっぷをしてしまったりすると、検査時間が長引いたり、見落としが発生したりする恐れがあります。
このように、苦しい胃カメラにはデメリットしかないのです。
胃カメラの不安を軽減させる3つのポイント
胃カメラに対する不安が強いと、体がこわばり、より検査が苦しくなってしまう恐れがあります。
ここからは、胃カメラの不安を軽減させるポイントを3つご紹介します。
- 自分に合った病院を選ぶ
- 経鼻内視鏡を選ぶ
- 鎮静剤を使用する
それぞれ詳しくみていきましょう。
自分に合った病院を選ぶ
まずは、胃カメラ検査を受ける医療機関を選びましょう。
事前に医師による説明がしっかり受けられるかどうかや、立地・設備などについても確認しておくと安心です。
胃カメラに対する不安に寄り添い、配慮してくれる医師や看護師のいる病院ならば、胃カメラ検査をリラックスして受けられるでしょう。
経鼻内視鏡を選ぶ
胃カメラには口から入れる「経口内視鏡」と、鼻から入れる「経鼻内視鏡」の2種類があります。
一般的に、経口内視鏡よりも咽頭反射の起きづらい経鼻内視鏡の方が負担は少ないといわれています。
ただし、鼻腔内の状態や医療機関の設備によっては、経鼻内視鏡を選べないケースも。
経鼻での胃カメラを受けたい場合は、あらかじめ医師に相談しておきましょう。
鎮静剤を使用する
多くの病院では、胃カメラの前に鼻や喉に表面麻酔を塗布します。
胃カメラに対する不安が強い場合は、表面麻酔に加えて点滴で鎮静剤を投与する静脈麻酔を受けることも可能です。
ぼーっとした状態で苦痛なく検査を受けられ、検査時の嫌な記憶も残りづらいのがメリットです。
ただし、鎮静剤下での胃カメラを行っていない医療機関もあります。
経鼻内視鏡と同じように、鎮静剤を用いた胃カメラ検査ができるかどうかは事前に問い合わせておきましょう。
また、鎮静剤を使用して胃カメラを行う場合は、病院の行き帰りにも注意が必要です。
検査後は自動車などの運転を控えなければならないため、公共交通機関などの利用を検討しましょう。
ご家族やご友人に同伴いただくと安心です。
苦しくない胃カメラ検査を受けるコツは、次の記事で詳しく解説しています。
//内部リンク「苦しくない胃カメラ検査を受けるコツ|楽に受ける方法とは?」
胃カメラは拒否できる?
胃カメラは、胃がんの早期発見・早期治療のために推奨されている検査の一つです。
しかし、企業などの健康診断に胃カメラ検査が含まれている場合は、拒否することが可能です。
血液検査や胸部X線検査は法定検診で、受けることが義務付けられていますが、胃カメラやバリウム検査などの胃の検査は法定検診に含まれないためです。
なお、お住まいの市区町村によっては、かかりつけ医のもとで受けた胃カメラの結果や、胃がん健診での胃カメラの結果を会社に提出することで、検査を受けた証明とすることもできます。
まとめ
今回は「胃カメラを絶対無理だと思う理由」と「胃カメラに対する不安をなくす方法」について解説してきました。
胃カメラは胃がんの早期発見・早期治療には欠かせない検査です。
本記事で胃カメラの必要性や不安を軽減させるポイントをおさえて不安を和らげ、定期的に胃カメラ検査を受けて、健康を保ちましょう。